「なんかイライラする」苦手な人があらわれるのはなんで?嫌な人がギフトに変わる心の仕組みの話
なんかこの人イライラするなぁ、苦手だなぁ…っていう人はいませんか?
なんか引っかかる、イライラする人がどうして現れるのか、心の仕組みについてまとめました。
この仕組みを知っておけば、イライラする苦手な相手から自由になるだけでなく、自分のことがよく分かり、ゆったりした気分で過ごす自然体な自分に近づくことができます。
この記事の目次
投影という仕組み
人は無意識に自分と相手が同じ考えや意見を持っていると感じています。
これを投影と言います。
同じような状況で相手も同じように感じているだろうとか、こういう時はこうするのが当たり前だろうというのは自分の感じ方を相手に投影していることになります。
日本は特に多文化に触れることが他の国に比べて少ないのでその傾向は強いかもしれません。
「自分と相手はおんなじ感じ方をする」という前提で世界をとらえてしまうのが投影の仕組みです。
イライラする時は何を投影しているか
イライラするなどの心の反応がある時はまだ自分では見ていない自分を相手に投影している時です。
自分では気がついていない自分の性質や見たくない自分の性質を相手の中に見つけているということです。
愚痴っぽい人が嫌いな場合は、自分でも気がついていない、もしくは我慢している「自分自身の愚痴っぽい部分」を相手の中に見ているのかもしれません。
誰かを悪く言いたくなって、「そんなこと思っちゃダメだ」「不満を言うなんてよくない」と蓋をしているかもしれないということです。
自分は言わないように我慢しているのに平気で愚痴を言っている人を見ると「自分は我慢しているのに」とイライラしてしまうのです。
頭では「別に気にすることじゃない」と思っていても、なぜかイラっとしてしまう時は無意識に我慢していることや不安なこと、今まで見えていなかった自分自身のことを教えてくれているのかもしれません。
投影によるイライラから自由になるには
このイライラから自由になるには、相手になにを投影しているのか気がつく必要があります。
相手のどんなところにイライラするのか考えてみて、相手に対してどんな風に思っているのか明確にしてみてください。
「〜すべきではない」という気持ちが見つかれば、それがそのまま自分に課していることになります。
例えば「不満や悪口を言うべきではない」そんな風に感じたら、自分に対して「不満や悪口を言うべきではない」と自分に課している可能性が高いです。
イライラから自由になるためには、自分に課していることを別にしなくてもいいなーと思えればそれでオッケーです。
悪口を口に出す必要はありませんが、別に嫌だと思ったことの1つや2つあってもいいし、そういう気持ちになってもいいのだと納得することができればいいのです。
簡単に「別にしなくてもいいかな」と思えない場合は、しなきゃいけないと無理している度合いが高い可能性があります。
そういう場合は「しなきゃいけないと思っていること」をしなかった時のメリットも考えてみるとゆるんできます。
例えば職場で「不満は言っちゃいけない、愚痴らずにいつも笑顔でいるほうがいい」と不満を感じることを我慢していたとします。
この場合は我慢しなかった時、つまり不満を言ったときのメリットを考えてみます。
不満を上司に伝えたことがきっかけで解決策を発見できて他の人も喜ぶかもしれませんし、環境が良くなっていく可能性があります。
そう考えると不満も改善のエネルギーになるのでいいものですよね。
こんな風に思考ゲームをして「不満を言っちゃいけない」なんてちょっと馬鹿らしいかも、と思えてきたらいい感じです。
相手を通して自分を知る
ちょっと耳の痛い話かもしれませんが、自分が嫌だなって感じることって別の形で自分が他の人にしていることだったりします。
意見を押し付けてくる人が嫌だなって感じたら、自分がいいと思ったことを相手に押し付けがちなのかもしれません。
邪魔しないでほしいと思ったら実は自分が相手にとっては邪魔になっていたなんてこともあります。
相手のどこが嫌なのかを明確にして、自分の行動の中にそのエッセンスを探してみると意外なところで同じことをしています。
表面的な見え方や感じ方が違う場合があるのでトリッキーですが少し考えてみるとおもしろいです。
これも投影の仕組みの一部です。
同じことをしている自分を認められたらイライラから自由になることができます。
「なんでやんないの!?」 イライラはコントロールのサイン?
相手が何かをしないことでイライラする場合は、相手のことをコントロールしようとしていないか疑ってみる必要があります。
本来は相手の行動は相手が決める、完全に相手の自由ですが、無意識に自分がコントロールできると勘違いしてしまっている可能性があるからです。
こういう時は現実的に自分がコントロールできる範囲について明確にしてみるのが有効です。
主語に「私」をつけて文章が成り立てば自分がなんとかできる範囲です。
仮に、挨拶をしない人にイライラしていたら「Aさんは挨拶をする、しない」なので主語はAさんになります。
これだとすでにAさんが主語なのでなんとかできるのはAさんだけで、自分ではどうにもできないことなんだと分かります。
コントロールの原因 全能感について
コントロールできるという勘違いには全能感が関わっています。
全能感とは「自分がなんでもできる」という感覚のことです。
自分がなんでもできるので相手のことをコントロールすることも当たり前にできることだと思ってしまっているということです。
この全能感が一番強いのは赤ちゃんの時です。
自分と周りの区別がつかずになんでも思い通りになると感じている状態です。
それが自分と周りの区別がついてくること、現実を見て、なんでも思い通りになるわけではないことを知って徐々になくなっていきます。
これが一部、残ったまま成長してしまうと他人が自分の思い通りになるという無意識の前提から人をコントロールできるという勘違いが生まれます。
コントロールできるはずなのにできないからイライラしてしまうわけです。
また「自分はなんでもできる」という感覚ゆえに、できないことを無理にしてしまうことがあります。
実はよくある話で、現実的にはちょっとありえないような仕事量をやろうとしたり、必要以上に頑張ってしまう背景にこの「自分はなんでもできる」という全能感が潜んでいたりするのです。
イライラが教えてくれるもの1 不安
怒りという感情の元になっているのは不安です。
イライラしたら何が不安なのか自分に聞いてみると意外なことがわかるかもしれません。
決めつけられてイライラしている時は深いところでは自分のことを理解されない悲しみや本来の自分では認めてもらえないんじゃないかという不安があるのかもしれません。
自分とは違う意見を目の前にして「こうやってやる方がいいのに」「こうしなきゃいけないのに」なんて悔しく思う時は自分と違う意見を目の前にすると否定されたような感覚がして不安なのかもしれません。
ちなみに違う意見を受け入れられないのは、意見を否定されて育った人や親のルールがコロコロ変わって読めなかった人によく見られる傾向です。
イライラが不安を教えてくれるという視点を持つと、自己理解が深まり、自分に優しくできるかもしれません。
自分に優しくして、不安が解消されるとイライラする必要はなくなります。
イライラが教えてくれるもの 2 過去の傷
インナーチャイルドやバーストラウマなど過去に傷を負った経験があると、これ以上傷つかないようにと自分を守る意識が強くなります。
守る意識が強くなると自然と物事をコントロールしようとするようになります。
その結果、コントロールできないものに対して警戒したり、怒りを感じたりします。
怒りは危険を伝えるサインでもあるからです。
他人は自分にはコントロールできないものなので、自分の予想外の行動を取った時や、期待とズレた行動をしたときに怒りが湧いてきます。
イライラする時は何か守ろうとしているものや過去に傷ついた経験が関係しているのかもしれません。
まとめ
イライラする人っていったんいなくなっても、似たような人が目の前に現れたりしませんか?
それは心の中に原因があって、それを他人に映し出して見ているからです。
原因を見つめればイライラする人からも自由になって、無意識にしていた我慢や自分を苦しめていた不安から自由になれます。
そう考えるとイライラする人は等身大で自然体な自分へのヒントをくれる人なのかもしれません。
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