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プロフィール


Shiori(しおり)
感情カウンセラー

ヴィーガンスイーツのレシピ開発を経てマネージャー職を経験。意見の合わない同僚や、やり方の違う後輩にイライラしてばかりの頃に感情のクリアリングを学び、違う意見を面白がれたり、後輩に対してイライラしなくなったり、見える世界が変わる体験をする。

お菓子の素材も、人も、ありのままの良さが響き合うハーモニーを作るのは自分も相手も大切に感じるあったかい気持ちだと実感する。

現在は感情カウンセラーとして活動。合唱と季節のご飯を作るのが好き。

活動:東京、神奈川でのワークショップ、個人セッション

 

ちょっと長い私の今まで

「私に子どもが育てられるのかなぁ」

私の人生で一番最初の悩み事でした。

小学校に入ったばかりの頃のことです。

 

母に怒られたり、口出しされたりするのがとても嫌で

あれこれ言われるたびに「私の話を聴いてくれない」とか、「私のことは信じてくれない」とか感じていました。

 

でも、母の愛が分からなかったわけではありません。

言われたくないことばかりだけど、自分のことを思って言ってくれるのは分かりました。

その気持ちは分かるけど、受け入れられないから辛かったのです。

 

もし自分が親になったら

自分の気持ちをどう伝えて、どうやって人を育てたらいいんだろう?と不安になりました。

 

母と同じようなことを言うような気もしました。

子どものことが心配だからです。

 

社会でちゃんと生きていけるように

いろんなことを教えてあげたいと思うだろうし

良いことと悪いことを教えてあげたくなるだろうと思いました。

 

でも、その気持ちを母と同じように伝えたら、子どもは私みたいに苦しむのはリアルに想像できました。

 

信じて任せる「信頼」と、好きにすればいいと放り出す「放任」の違いを感覚的に理解したかったのだと、今になって思います。

 


 

大学生になった私は家庭教師のアルバイトを始めました。

そこでも、人の成長にどう関わるのかという問いに対する答えは見えませんでした。

 

英語や数学を教えながら、勉強より大切なことがある気がしていました。

テストでは測れない、自分で考える力とか、問題解決能力とか、コミュニケーション能力とか、そんなものです。

それは勉強でも身につくし、勉強じゃなくてもいい気がしました。

でも、当時はその大切なことが一体何なのかはっきり言語化することもできず、身に付けるために何をすればいいのかもわかりませんでした。

当然、私には何ができるのか何も見えませんでした。

答えが見えたのは、私自身の成長を進めた時でした。

自分の成長プロセスの中にヒントがたくさんありました。

 


 

私の成長を振り返ってみると、何かを身につける足し算の成長というより、どんどん手放していく引き算の成長でした。

引き算の成長に出会ったのは、大学院を休学して、自分探しの旅をしていた時でした。

将来の方向性が見えなかった私は「やりたいことをなんでもやってみよう」と思ってアメリカに行きました。

アメリカではシアトルで学校に通ったり、ウィスコンシンのオーガニックファームでファームステイしたりしながら過ごしました。

帰国後はオホーツク海沿岸、北アルプス、湘南、沖縄…2〜3ヶ月で住む場所も仕事も変えながら旅を続けました。

自然を感じられる場所を点々としながら山小屋で働いたり、石窯のパン屋さんで働いたり、英語を教えたりしていました。

いろんな仕事をする中で、農業に興味を持ちました。

いろんな農家さんのところに行って畑を見せてもらうようになったある日、野菜が驚くほど美味しいと噂の農家さんに会いに行きました。

「野菜が育ちたいように育つのを手伝っている」と聞いて、心惹かれました。

その人に会いに行ったのが、意外にも私の引き算の成長の始まりになりました。

最初は農法について聞きたかったはずなのですが、なぜかその人が受けていたヒーリングの方に興味が湧きました。

話を聞いてみると、ヒーリングはインナーチャイルドを癒すって言うじゃないですか。

インナーチャイルドなんて心理学用語は初めて聞いたのでよく分かりませんでした。

でも、なんとなく直感で「受けるとよさそう」って思ってヒーリングを受けてみました。

 


 

受けてみると

「できる人でいなくちゃ」

「感じのいい人でいなければ」

「好奇心を持たなければ」

と無意識に理想的な自分になろうとしていたことに気がつきました。

自分では気がついていなかったので、驚きました。

まるで小さな箱に自分を押し込めているように感じました。

理想がだんだん、どうでも良くなって手放せたとき、自分の感性が息を吹き返すのを感じました。

ずっと「やりたいことがわからない」と思っていた私の手元に、素直で自由な感性が残りました。

どちらに進みたいのか、自分がどんな人なのかが分かる、人生のコンパスを手に入れた気分でした。

自分らしくないものを手放せば、自由になれる。

これが、私が最初に体験した引き算の成長でした。

 


 

その後、心のことをもっと知りたいと思った私は感情について学び始めました。

感情カウンセラー育成講座に通い始めたのです。

ちょうど、ヴィーガンパティシエの活動のご縁からカフェのマネージャーをやることになった頃でした。

今までずっと個人で活動してきたプレイヤーだったのに、急にマネージャーになってしまったものだから、大変すぎました。

最初は一人ひとりの個性が調和するいいチームにしたいって思いました。

でも、当時の私には高すぎる理想でした。

 

やり方の違う人に対して「なんでわかってくれないの?」とか

教えた通りにやらない後輩に「なんでできないの?」とか

 

イライラしちゃう割には、相手の顔色が気になって、嫌われるのが怖くなりました。

仕事も一人で抱えちゃうタイプでした。

養成講座で学んだ感情のことを試してみるには、いい環境だったとも言えます。

学んだ感情のクリアリングを日常生活で試すことになりました。

 

嫌われたくないなって気持ちも

相手の顔色が気になる癖も

感情に振り回されることも

仕事を頑張りすぎちゃうことも

できる人になろうすることも

 

どんどん手放して、心から引き算していきました。

 

手放していくと、煩わしい気持ちに少しづつ変化が生まれました。

 

意見の違う人に対しての「なんでわかんないの?」は「面白い意見だな」になり

後輩に対しての「なんでできないの?」は「頑張ってるな」になりました。

 

職場の雰囲気も少しづつ変わったのを感じました。

みんなでご飯に行くようになったり、会話が増えたりしました。

 

同じ場所にいるはずなのに、私の見る世界はガラリと変わりました。

 

煩わしい感情を手放せれば、フラットに物事を見れるし、相手のいいところを見つけられるんだと感じました。

家庭教師をしていたときに感じた、勉強よりも大切な力が身についていくのを感じました。

 


 

引き算の成長を続けていて、印象的だった出来事があります。

いろんなものを手放していったら、「私は私のままでいい」という温かい気持ちが残ったことです。

月並みな言葉だけど

「私は世界で一人しかいない大切な存在なんだ」

「同じ人はどこを探してもいなくて、私には私だけの色や音があるのだ」と感じました。

自分のことを「大切だな」「素敵だな」と深いところで感じたのは生まれて初めてでした。

嬉しかったのは、自分にそう思えるようになると自然と相手のことも「大切だな」「素敵だな」と感じるようになったことでした。

誰かを思う優しさに心があたたかくなったのを覚えています。


 

積み重ねてきた成長が、誰かの成長の役に立つのだと実感したのは、もう一度、中高生に英語を教えることになった時でした。

なんだか、ぐんぐん伸びる生徒が出てきたのです。

苦手科目だった英語が得意科目になる生徒や、順位が学年で最後の方だった子が学年トップの成績を収めたりするようになりました。

力を発揮する生徒の特徴は「自分で考えて、自分で選ぶ」主体性にありました。

結果が出た後に話を聞いてみると、自分で考えて行った努力がありました。正直「そんなふうに努力してたのか」と驚くこともありました。

過去に家庭教師をしていた時と私の英語力は変わりません。

教え方も工夫はしていましたが、そんなに変わっていないです。

昔の自分と明らかに違ったのは「私は私のままでいい」と感じられる心でした。

「私は私のままでいい」と感じられるあったかい心は言葉にしなくても相手に伝わって「あなたは、あなたのままでいい」になるのだと知りました。

そして「あなたは、あなたのままでいい」って言ってもらえた時の安心感の中で初めて発揮できる本来の力があるし、自由にクリエイティブに考えて行動できるのだと知りました。

 


心や感情を取り扱って引き算していくことで心に育った「私は私のままでいい」を次の世代に渡したいと思って、ワークショップや個人セッションを提供するようになりました。

クライアントさんのその人らしさや、力が発揮されるのを見るたび、この仕事を選んでよかったと思います。

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