プロフィール
Shiori(しおり)
感情カウンセラー/ヒーラー
力をつけて、誰かの成長を後押ししたい人のための引き算の成長をお伝えしています。
活動:東京、神奈川でのワークショップ、個人セッション
ちょっと長い私の今まで
人をどう育てるかが、人生でいちばん最初の悩みごとでした。
小学校に上がったばかりの頃、母に怒られたり、口出しされたりするのがとても嫌だったからです。
あれこれ言われるたびに「私の話を聴いてくれない」とか、「私のことは信じてくれない」とか感じていました。
でも、母の愛が分からなかったわけではありません。
言われたくないことばかりだけど、自分のことを思って言ってくれるのは分かりました。
その気持ちは分かるけど、受け入れられないから辛かったのです。
もし自分が親になったら
自分の気持ちをどう伝えて、どうやって人を育てたらいいんだろう?と不安になりました。
母と同じようなことを言うような気もしました。
子どものことが心配だからです。
社会でちゃんと生きていけるように、いろんなことを教えてあげたいと思うだろうし
良いことと悪いことを教えてあげたくなるだろうと思いました。
でも、その気持ちを母と同じように伝えたら、子どもは私みたいに苦しむのはリアルに想像できました。
信じて任せる「信頼」と、好きにすればいいと放り出す「放任」の違いを感覚的に理解したかったのだと、今になって思います。
大学生になった私は家庭教師のアルバイトを始めました。
そこでも、人の成長にどう関わるのかという問いに対する答えは見えませんでした。
英語や数学を教えながら、勉強より大切なことがある気がしていました。
今思えば、テストでは測れない、自分で考える力とか、問題解決能力とか、想像力とか、そんなものです。
それは勉強でも身につくし、勉強じゃなくてもいい気がしました。
でも、当時はその大切なことが一体何なのかはっきり言語化することもできず、身に付けるために何をすればいいのかもわかりませんでした。
当然、私には何ができるのか何も見えませんでした。
答えが見えたのは、私自身の成長を進めた時でした。
成長のプロセスの中にヒントがたくさんありました。
それは何かを覚えたり、身につけたりする足し算の成長というより、どんどん手放していく引き算の成長でした。
引き算の成長に出会ったのは、大学院を休学して、自分探しの旅をしていた時でした。
将来の方向性が見えなかった私は「やりたいことをなんでもやってみよう」と思ってアメリカに行きました。
アメリカではシアトルで学校に通ったり、ウィスコンシンのオーガニックファームでファームステイしたりしながら過ごしました。
日本に帰ってきてからもあんまり答えは見えないままで…
オホーツク海沿岸、北アルプス、湘南、沖縄…2〜3ヶ月で住む場所も仕事も変えながら旅を続けました。
自然を感じられる場所を点々としながら山小屋で働いたり、石窯のパン屋さんで働いたり、英語を教えたりしていました。
いろんな仕事をする中で、農業に興味を持った私は、いろんな農家さんのところに行って畑を見せてもらうようになりました。
ある日、野菜が驚くほど美味しいと噂の農家さんに会いに行きました。
野菜が育ちたいように育つのを手伝っていると聞いて、心惹かれました。
その人に会いに行ったのが、意外にも私の引き算の成長の始まりになりました。
最初は農法について聞きたかったはずなのですが、なぜかその人が受けていたヒーリングの方に興味が湧きました。
話を聞いてみると、ヒーリングはインナーチャイルドを癒すって言うじゃないですか。
インナーチャイルドなんて心理学用語は初めて聞いたのでよく分からなくって。
でも、なんとなく直感で「受けるとよさそう」って思ってヒーリングを受けてみました。
受けてみると
「できる人でいなくちゃ」
「感じのいい人でいなければ」
「好奇心を持たなければ」
と無意識に理想的な自分になろうとしていたことに気がつきました。
自分では気がついていなかったので、意外でした。
まるで小さな箱に自分を押し込めているように感じました。
理想がだんだん、どうでも良くなって手放せたとき、自分の感性が息を吹き返すのを感じました。
ずっと「やりたいことがわからない」と思っていた私の手元に、素直で自由な感性が残りました。
どちらに進みたいのか、自分がどんな人なのかが分かる、人生のコンパスを手に入れた気分でした。
これが、私が最初に体験した引き算の成長でした。
その後、心のことをもっと知りたいと思った私は感情について学び始めました。
感情カウンセラー育成講座に通い始めたのです。
ちょうど、ヴィーガンパティシエの活動のご縁からカフェのマネージャーをやることになった頃でした。
今までずっと個人で活動してきたプレイヤーだったのに、急にマネージャーになってしまったものだから、大変すぎました。
最初は一人ひとりの個性が調和するいいチームにしたいって思いました。
でも、当時の私には高すぎる理想でした。
やり方の違う人に対して「なんでわかってくれないの?」とか
教えた通りにやらない後輩に「なんでできないの?」とか
イライラしちゃう割には、相手の顔色が気になって、嫌われるのが怖くなりました。
仕事も一人で抱えちゃうタイプでした。
養成講座で学んだ感情のことを試してみるには、いい環境だったとも言えます。
学んだ感情のクリアリングを日常生活で試すことになりました。
嫌われたくないなって気持ちも
相手の顔色が気になる癖も
感情に振り回されることも
仕事を頑張りすぎちゃうことも
自分じゃない、できる人になろうすることも
どんどん手放して、心から引き算していきました。
手放していくと、煩わしい気持ちに少しづつ変化が生まれました。
意見の違う人に対しての「なんでわかんないの?」は「面白い意見だな」になり
後輩に対しての「なんでできないの?」は「頑張ってるな」になりました。
職場の雰囲気も少しづつ変わったのを感じました。
みんなでご飯に行くようになったり、会話が増えたりしました。
同じ場所にいるはずなのに、私の見る世界はガラリと変わりました。
感情に振り回されないでいられれば、フラットに物事を見れるし、思考も柔軟でクリアになるんだと感じました。
人間関係だって感情的にならずに、相手のいいところを見つけられた方がずっと楽でした。
家庭教師をしていたときに感じた、勉強よりも大切な力が身についていくのを感じました。
私は私のままでいい
引き算の成長を続けていて、印象的だった出来事があります。
いろんなものを手放していったら、「私は私のままでいい」という温かい気持ちが残ったことです。
月並みな言葉だけど
「私は世界で一人しかいない大切な存在なんだ」
「同じ人はどこを探してもいなくて、私には私だけの色や音があるのだ」と感じました。
自分のことを「大切だな」「素敵だな」と深いところで感じたのは生まれて初めてでした。
そして、自分にそう思えるようになると、自然と、相手のことも「大切だな」「素敵だな」と感じるようになりました。
誰かを思う優しさに心が温かくなったのを覚えています。
積み重ねてきた成長が、誰かの成長の役に立つのだと分かったのは、もう一度中高生に英語を教えることになった時でした。
昔の自分と明らかに違ったのは「私は私のままでいい」と感じられる心でした。
その心を持っていれば、言葉にしなくても「あなたはあなたのままでいい」が伝わるように感じました。
苦手科目だった英語が得意科目になる生徒や、順位が学年で最後の方だった子が学年トップの成績を収めたりするようになりました。
「あなたはあなたのままでいい」って言ってもらえた時の安心感の中で、人は自分の本領を発揮できるし、自由にクリエイティブに考えて行動できるのだと知りました。
人の成長に関わるために必要だったのは、私自身への安心感でした。
心や感情を取り扱って引き算していくことで身につけた
自分自身への安心感を次の世代に渡したいと思って、ワークショップや個人セッションを提供するようになりました。
クライアントさんのその人らしさや、力が発揮されるのを見るたび、この仕事を選んでよかったと思います。
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